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場当たり的パフォーマンスのしわ寄せ

 2月に安倍首相が唐突な一斉休校の要請をしたのに対して、学校が休みになると仕事を休まざるを得なくなるといった批判が噴出しました。そうした問題に関して『学校の臨時休校を行う場合には、国として、職場を休まざるを得なくなった保護者の皆さんへの助成金(中略)など、これまでの支援をしっかりと継続してまいります』と首相官邸のHPでアピールしています。

 その助成金を申請するにはどうすればよいのか、厚生労働省のHPを探して出てきた資料を見たのですが、説明が分かりませんでした。仮に、書面での契約のないアルバイト従業員として必死に働いて、なんとか生計を立てているというシングルマザーの女性がその書類を見たら、どう感じるだろうかと考えさせられました。「よかった。なんとかなる」と思うのではなく、途方に暮れるのではないかと思います。

 基本的に役所の文書は読み手のことを第一に考えるのではなく、問題が生じないようにと最大限に注意する文章を書きます。ましてや急遽、上から指示された案件です。担当者にしてみれば、困っている人を助けたいという気持ちで書くのではなく、リスク回避を念頭に置くでしょう。心の通った対応を期待するのが、無理なのかもしれません。

 布マスク2枚を郵送する経費を、本当に困っている人のために使うことはできないのでしょうか。場当たり的なパフォーマンスのために使うのではなく。

# by take-marupon | 2020-04-03 13:45 | 新型コロナウィルス | Comments(0)

政策の優先順位

 今、最優先で取り組むべき課題の「政治決断」ではなく、自分の立場を守るための「政治決断」が行われたことが伝えられました。布マスク2枚を全世帯に郵送するのだそうです。医療の専門家たちが医療崩壊の危機を訴えている中で、現場の医療従事者が自分の命を顧みずぎりぎりのところで踏みとどまっている中で、政策の優先順位を考えずに、安倍首相は自分の出番をつくるために税金を投入することを決めました。

 私は布マスクはいりません。自分でつくれるからです。不要不急の外出を控えて、外出する場合は3つの密を避けて、しっかりと手洗いを励行すれば感染予防はできます。医療現場だけではなく、介護施設や福祉施設、それに保育所など布マスクを優先して配布すべきところはいっぱいあります。布マスクの郵送や封入の経費はどれだけかかるのでしょうか。私は自分で自衛し、人にうつすことのないように最大限つとめます。だから、その分の経費を医療体制の整備や必要度の高い人のために使って欲しいと切実に思います。

 布マスクが送られてくる郵便物には、きっと安倍首相のメッセージが入っていると想像しています。そのメッセージの印刷経費も税金で賄われます。こんな緊迫した事態になっているときにさえ、パフォーマンスを演じることができる人物が首相をつとめていることをとても悲しく思います。

# by take-marupon | 2020-04-01 22:12 | 新型コロナウィルス | Comments(0)

「政治決断」を怖がる事態

 新型コロナウイルスの感染拡大という事態が進行している中で、私たちは、日本の政治がいかに毒されているかを目の当たりにしています。しかし、二つが同時進行で進んでいるので、安倍首相が日本の政治の根本を腐らせてしまっていることに目を向けていない場合もあると思います。

・公務員としての職務に真摯に取り組んだ善良な市民を自死に追い込んだ森友学園問題
・法律を無視して自分の選挙区の有権者を特別扱いする「桜を見る会」
・特別に目をかけて巨額の選挙資金を贈った候補者の公職選挙法違反
・高い独立性が必要な検察への露骨な人事介入
・現職国会議員が逮捕されたIR疑惑  …

 数え上げればきりがない汚点を積み重ねていながら、今なお一定の支持率を維持していることに、民主主義の劣化を感じています。

 今回の新型コロナウイルスの問題では、2月27日に全国の学校の一斉休校を打ち出した件に関して、安倍首相は専門家の助言を得ずに自分で判断したと答えています。「感染者がいない地域にはとばっちりだ」という異論もあった中で、首相の「政治決断」で決まったと伝えられています。

 そして今、2月27日の時点よりもさらに感染が拡大する中で、学校をどう再開するのかをめぐって難しい状況に陥っています。首相が緊急事態宣言をいつ出すのかをめぐって、不確かな情報が出回っています。

 とても残念で、悲しいことなのですが、私は安倍首相の「政治決断」を恐れています。これまでの言動を考えると、安倍首相の「政治決断」には常に自分の立場を守るねらいがあると受け止めているからです。

 首相が自分の立場を守るための最強の武器は、衆議院の解散です。新型コロナウイルスに関しては「正しく怖がる」ことが大事です。それと同じように今の政治状況に対して「正しく怖がる」ために、私たちができることは、自分の1票を無駄にしないこと、腐敗を正す1票を投じることだと考えています。

# by take-marupon | 2020-03-31 14:20 | 新型コロナウィルス | Comments(0)

続「正しく怖がる」

 前回の記事で引用した日本人の死因のデータを材料に、「メディア社会」の視点で「正しく怖がる」ことを考えてみます。

 溺死によって年間7705人の方が亡くなっています。一日当たり21人です。表の下から6行目です。「そんなに多いなんて、びっくり」と感じないでしょうか。溺死は交通事故による死者数5278人を上回っています。交通事故よりも多いという実感はあるでしょうか?

 私たちは交通事故のニュースを見聞きします。最近はお年寄りが運転する車に跳ねられて歩行者が亡くなるというケースの事故が大きく報道され、注目を集めています。一方、溺死に関しては、夏休みになると海や川で泳いでいた人が溺れて亡くなる水難事故がニュースとして伝えられることが多くなります。「そうか、水難事故は交通事故より怖いのだ」と思ったかもしれません。

 私たちは、自分が利用可能な情報を使って、新しい事態を受け止めようとします。そして現代社会においては、利用可能な情報の多くはメディアを通して得たものです。新型コロナウイルスに関しても、主にメディアで伝えられる情報によってどういう事態なのかを認識しています。

 溺死を詳しく調べてみましょう。インターネット検索で、様々な統計データを見つけ出すことができます。警察庁の「平成30年における水難の概況」によると、水難の発生件数は1356件、死者・行方不明者は692人とあります。日本人の死因のデータとは年度が違いますが、海や川で亡くなる水難は溺死の中の一部であることがわかります。なお、警察庁の水難の統計の中には用水路やプールでの事故も含んでいます。

 水難は溺死の一部であることが分かりました。では、残りの溺死はどういう場所で亡くなったのでしょうか?2010年の人口動態統計によると、家庭内の不慮の事故で亡くなった人の3割、およそ4000人は浴槽内での溺死でした。一日あたりにすると11人です。毎日10人もの人が自宅のお風呂で亡くなっているのです。でも、自宅の浴槽での不慮の事故である溺死の一つ一つが、ニュースとしてとりあげられることはありません。

 若い人たちは入浴中の溺死を怖いと感じる機会はあまりないと思います。高齢者が浴槽で溺死する事故が多いという問題は、実はメディアでもしばしば取り上げられています。私も含め高齢者は自分に関係のあることとしてその情報を受け止めますが、若い人たちは注意を向けないのでそういう情報には気づきにくくなります。

 さて、新型コロナウイルスについては、テレビや新聞で連日大きく伝えられています。メディアが頻繁に大きく伝える問題は重要な問題だと受け止めます。ウイルスが新型であり私たちは全員が免疫を持っていないため、急激に感染者が増える感染爆発になる恐れがあります。そうなると医療崩壊状態になって、十分な治療を受けられなくなるという危険があります。治療を受ければ助かるのに、治療を受けられない状態で死ぬ人が出る…なんて嫌だ!!だから、怖がる必要があるのです。

 一方で、「新型コロナウイルスに感染して、重篤な状態になるリスクは、とても小さいという事実を理性的に受け止める」ことも必要です。例として上げた家庭の浴槽での溺死や水難事故など、私たちは常に様々なリスクの中で暮らしています。こうしたリスクに対しては、台風が近づいている時に海に行かないとか、遊泳禁止の場所では泳がないとか、入浴前に脱衣所や浴室を暖めるとか、お酒を飲んだ後すぐに入浴しない、などなど当たり前のことを実行することで、「正しく怖がる」を実践できるのです。

 感染リスクを減らす方法は、手洗いの励行、咳エチケット、そして3つの重なり(換気の悪い密閉空間、多くの人が密集、近距離での会話や発声)を避けることです。日常生活の中で、自分で実行できることです。

# by take-marupon | 2020-03-28 17:08 | 新型コロナウィルス | Comments(0)

再び「正しく怖がる」

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 JPpress 九州大学大学院理学研究院教授の矢原徹一さんの記事 (2020年3月15日)
「『不安』は大敵、科学的知識で感染リスクを減らす」から引用した表です。もとのデータは厚生労働省の人口動態統計です。

 日本人の死因のトップは「がん」であることはよく知られています。2017年には年間で37万人余りの方が「がん」で亡くなっています。一日あたりにすると1000人余りの方が亡くなっているという数字を見ると、あらためて「がん」の怖さを思い知ります。

 表の一番下の欄、「インフルエンザ」は季節性のインフルエンザ、毎年冬になると流行が繰り返されるので、私はほぼ毎年ワクチンを接種して予防しています。その「インフルエンザ」で年間1500人近くが亡くなっています。一日当たりでは4人です。新型コロナウイルスによる日本での死亡者数(クルーズ船を除く)は、3月25日現在43人です。80日で割ると一日当たり0.54人です。新型コロナウイルスはウィルス性の肺炎を引き起こして重症化すると死に至る場合があります。

 表の上から3番目の欄にある「肺炎」は細菌性の肺炎で、一日あたり327人の方が亡くなっています。矢原さんは、こうした数字を紹介した上で、「市民一人ひとりが新型コロナウイルスに感染して重篤な状態になるリスクは、とても小さいという事実を理性的に受け止め、不安解消につとめましょう。不安は私たちの体にストレスとなり、免疫力を低下させ、疾病リスクを高めます」と指摘しています。

 もちろん、だからと言って予防の必要はないということでは決してありません。矢原さんは「このまま新型コロナウイルスの感染拡大を許せば、表で第3位の肺炎をうわまわる脅威になる可能性があります。感染拡大を防ぐには、多くの市民の協力行動がとても重要です。みんなが少しずつ感染リスクを減らせば、集団全体の感染リスクは相乗的に減るのです」と呼び掛けています。

 今一番心配なことは、感染者の急増で医療現場が対応できなくなる医療崩壊です。イタリアやスペインの医療現場の厳しい状況が伝えられています。あのような状況に陥ると、新型コロナウイルスの感染者だけでなく、他の病気の患者の治療を十分にできなくなって死亡率が上がってしまいます。

 「正しく怖がる」ことが必要です。みんなが少しずつ感染リスクを減らす方法は、手洗いの励行、咳エチケット、そして3つの重なり(換気の悪い密閉空間、多くの人が密集、近距離での会話や発声)を避けることです。日常生活の中で、自分で実行できることです。

# by take-marupon | 2020-03-26 20:45 | 新型コロナウィルス | Comments(0)

就活も「正しく怖がる」

 新型コロナウィルスは、世界経済にも深刻な影響を及ぼし、様々な企業の業績の悪化が伝えられています。2021年卒の大学生の就職活動も、合同企業説明会が中止されたり、WEB面接に切り替えられたりといった影響を受けていますが、さらに、業績が悪化した企業が採用予定数を減らすことが想定されます。就職活動がやりにくいという問題ではなく、就職すること自体が難しくなるという意味で厳しさを増すと考えられます。

 リクルートワークス研究所の調査データによると、2020年卒の大卒の求人倍率は1.83倍でした。就職を希望する学生一人に対して、2件近い求人があるという割合です。採用する企業側から言えば、大卒を採用したいと思っても予定通りの人数を採用できないという数字です。就職難ではなくて、採用難という状態です。採用難は学生からすると、さほど苦労せずに内定をもらえる状態ということになります。

 就活に取り組んでいる学生にとっては、楽になったという実感はないと思います。しかし、毎年、学生の就職活動を見守っている立場からすると、10年前に比べてここ数年は楽な就活だったと言えます。ここ数年は、多くても20~30社程度、中には数社の選考を受けただけで就活を終える学生もいました。

 その状態が一変するだろうと思います。2008年のリーマンショック後の世界的な景気の落ち込みと同程度か、それ以上の景気悪化が心配されています。2012年卒の頃の学生の中には、100社を超える企業の選考を受け続けて、それでも内定を得られないという学生がいました。私の周りの学生についていえば、50社程度の選考を受けてようやく内定を得るという学生がいても特に驚かない状態でした。そういう状態の就職活動が、再び繰り返されるだろうと心配しています。

 新型コロナウィルスに関して不安な気持ちになっているところに、就職活動の不安も重なると、沈んだ気持ちになるでしょう。それでも敢えて、就職状況の悪化が予想されることを取り上げました。それは就職活動も新型コロナウィルスと同じように「正しく怖がる」必要があると考えているからです。

 リーマンショックの後に、大卒の求人倍率が最も低くなったのは2012年の1.23倍です。一番厳しかったころでも、就職を希望する大学生が全員就職できるだけの求人がありました。ただし、自分が考えていた知名度のある大手企業ではなく、知名度が低い企業だったり、規模の小さい会社だったりはするでしょう。学生は志望企業を選ぶ際に、知名度とイメージに左右されがちです。経営内容や事業の将来性、それに働きやすさよりも、世間体にとらわれた選び方をしてしまいます。知名度とイメージにとらわれずに、自分にとっての優良企業を選ぶ姿勢が何より大切です。景気がいい時も悪い時も、それは同じことです。

 新型コロナウィルスの予防策は、手洗いの励行と咳エチケットです。特効薬やワクチンの開発を待つのではなく、日常生活の中で自分ができる対策です。就職活動で成果を得るための方策は、業界・企業研究と自己分析です。政府に”大胆な”景気刺激策を期待しても、その効果は目前の就職活動には表れないでしょう。業界・企業研究と自己分析は、日常生活の中で自分ができる対策です。就活を「正しく怖がる」ことで、やるべきこと=業界・企業研究と自己分析が見えてきます。当たり前のことを実行することが必要な対策であり、成果につながります。
 
 

# by take-marupon | 2020-03-21 13:49 | 新型コロナウィルス | Comments(0)

「集団免疫」についての理解

 新型コロナウイルスに関して、各国政府の対策を伝える情報を見聞きします。NHKBSのワールドニュースを見ると、日本だけでなく先進国と言われているアメリカ、イタリア、フランスなどでのテレビの使え方に対しては、不安を煽るような報道の仕方になっているという印象を受けます。そうした状態では、前回の記事で紹介した「集団免疫」について、国民が冷静に理解することは難しいだろうとも思います。

 イギリスの公共放送BBCのWEBニュースの日本語版の記事を手掛かりにして、「集団免疫」について整理してみます。

「なぜイギリスは学校を閉じないのか 新型ウイルス対策で独自路線の理由」2020年3月14日
 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、多くの国は大胆な措置を次々に導入している。学校の一斉休校、大規模集会の禁止、厳しい移動制限――などだ。一方でイギリス政府は今のところ、そうした大胆な対策はとらず、どちらかというと地味な対応を続けている。

「イギリス独自のウイルス対策、「国民の命を危険に」と多数の科学者反対」2020年3月15日
 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、イギリスの科学者229人が14日、英政府にこれまでよりも強硬な措置を実施するよう呼びかけた。

 皆さんは、この二つの記事の見出しを見て、イギリス政府の対策をどう評価するでしょうか?その評価の分かれ目に「集団免疫」の受け止め方があると思います。

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# by take-marupon | 2020-03-17 15:28 | 新型コロナウィルス | Comments(0)

「集団免疫」という視点

何度も紹介している高山義浩さんのFacebookからの引用です。

  いま理解しておくべきは、封じ込めができなければ、ワクチンがないので一定人数が感染することは避けられないということです。私たちが感染対策を実施する意義とは、感染者数を減らすことではないんですよ(ここ重要)。

 その意義とは、
1)流行のスピードを遅くすることで、ハイリスク者の隔離性を保って感染させないこと(その間に、元気な人が感染して集団免疫を獲得して流行を終わらせること)
2)流行のピークを低くすることで、医療機関へのインパクトを減らし、医療従事者や病床が適切に運用されるようにすること(終息するまで、重症者の命を救える体制を維持すること)
なんですよね。

 「元気な人が感染して集団免疫を獲得して流行を終わらせる」という言葉の意味をきちんと理解する必要があります。高山さんが、Facebookの記事で分かりやすく説明しています。少し長くなりますが、全文を引用します。



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# by take-marupon | 2020-03-16 11:36 | 新型コロナウィルス | Comments(0)

とにかく手洗い

新型コロナに関しては、マスクよりも、うがいよりも、間違いなく手洗いが重要です。
(高山義浩さん・感染症医、沖縄県立中部病院)

Q. 新型コロナウイルスは、どのように広がりますか?
ウイルスは、飛沫感染、または、接触感染によって伝染するとされています。
飛沫感染 :感染者の咳やくしゃみ、つばとともに放出されたウイルスを、他者が口や鼻から吸い込んで感染すること
接触感染 :感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後に、手すり、ドアノブ、スイッチなどを触りウイルスが付着する。それらを触った他者の手にウイルスが付き、口や鼻を触ることで粘膜から感染すること
※ウイルスがものの表面に付着した状態でどのくらい生き残るのかはまだ確かなデータが発表されていませんが、ウイルスを取り除くためにはアルコール消毒液でふき取ることが有効とされています。
(ユニセフの資料から)
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(政府広報オンラインから)

# by take-marupon | 2020-03-11 23:22 | 新型コロナウィルス | Comments(0)

自分の行動の指針

 新型コロナウィルスに対して「正しく恐れる」ことが必要です。でも、「正しく恐れる」ことは難しいですね。まず前提として、判断材料となる情報の取捨選択が大切です。前の記事で紹介した高山義浩さん(感染症医、沖縄県立中部病院)が発信している情報は、冷静で分かりやすく信頼できると考えています。高山さんのFakebookの記事から、新型コロナウィルスの特徴や対処の仕方についての解説のエッセンスを紹介します。切り貼りのエッセンスなので、詳細は高山さんのFakebookを読んでください。

 〇新型コロナウィルスの特徴
 これまでの積極的疫学調査(感染者の接触者を追跡する調査)の結果をみると、このウイルスの感染力は必ずしも強くはありません。少なくとも、インフルエンザほどは強くない。
 たとえば、電車やレストランなどで空間を共にしたぐらいでは感染していません(市中で空気感染はしない!)。咳やくしゃみによって生じる飛沫を吸い込むことでも感染しますが、それすらも限定的な印象があります(飛沫感染はするが限定的か?)。ただし、密閉された空間に有症者と長時間いると感染するリスクが高まってくるでしょう。
 むしろ、もっとも効率的に感染を引き起こしているのは、ドアノブや手すり、トイレなどに付着していたウイルスに触れて、その手を目鼻口の粘膜に付着させることで感染しているのではないかと考えられます(おそらく接触感染が主体)。

〇感染を広げるのは「人」ではなく「環境」
 新型コロナの感染力がインフルエンザほどではなさそうだということ。国内で発見された確定患者の濃厚接触者(1症例あたり数名から数十名)を保健所が追跡していますが、その後に感染が確認されたのが、ほぼ、同居者など家族に限られているのです。これがインフルエンザだったら、もっと学校や職場でのクラスターが確認されるものです。
 ただし、例外があります。密集した閉鎖空間に長時間いたことから、大人数に感染させてしまう事案が発生しています。SARSやMARSの流行でも指摘されていたことですが、今回の新型ウイルスでも、1人で多人数に感染させてしまうスーパースプレッダーがいることが明らかになりました。ほとんどの方は1人以下にしか感染させていなくても、スーパースプレッダーが一定数いると、平均値としての基本再生産数(R0)が引き上げられてしまいます。

 これまでの内外における積極的疫学調査のデータを見ると、どうやらスーパースプレッダーとは「人」の特性ではなく、「環境」の特性によるものと考えられます。つまり、クルーズ船とか、宗教団体の集会とか、屋形船とか・・・ そのような環境をウイルスに提供しないことが重要なんですね。



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# by take-marupon | 2020-03-08 23:38 | 新型コロナウィルス | Comments(0)